ミュージカル映画の名作といえば洋画作品がいくつも思い浮かびます。
最近ではラ・ラ・ランドや実写の美女と野獣、アラジン、グレイテストショーマン、などなど。
これらは日本でも大ヒットし、ミュージカル映画は日本でもとっても人気です。
だけど、日本のミュージカル映画で人気作ってなかなか思い浮かばなくないですか?
それってどうしてなんでしょうか?
洋画に比べて作品数が少ないですが、日本のミュージカル作品が少ない理由と合わせて3作品ご紹介していきたいと思います。
目次
ダンスウィズミー
あらすじ
幼い頃からミュージカルが苦手なキャリアウーマンの静香(三吉彩花)。
ある日姪っ子に付き合い訪れた遊園地で怪しげな催眠術師マーチンの催眠術にかかってしまいます。
その催眠術とは音楽が鳴り始めると踊り歌いだしてしまうというもの。
静香は所構わず歌い踊りだしてしまうという困った催眠術を解くために、再び遊園地を訪れるが、既にマーチンはいなくなってしまっています。
静香は催眠術を解き、もとの体に戻れるのでしょうか?!
みどころ
日本のミュージカルに違和感を覚えやすい理由の一つに身近な日本語で突然歌いだし踊りだすからというものがあると思います。
英語などの外国語で外国人俳優たちだと違和感なく非日常として楽しめるのに、日本人が日本語でってなるとどうしても不自然に感じてしまいます。
この作品はそんな違和感を逆手にとって物語の主軸に盛り込んでしまうという荒業でもって展開していく作品。
そして物語上のセリフを歌うわけではなく、流れてくる既存の音楽を歌い踊る感じなので、ミュージカルが苦手な人でも違和感なく見やすいと思います。
気軽に観られるロードムービー的なコメディ作品となっています。
嫌われ松子の一生
あらすじ
川尻松子(中谷美紀)は幸せな人生を夢見ていました。
しかし、教え子の龍(伊勢谷友介)が起こした窃盗事件がきっかけで教師をクビになり、その後、どんどん転落人生を歩むこととなる。
お付き合いする男性とはことごとく上手くいかず、DV男に自殺されたり不倫の末に捨てられたりと散々です。
そんなこんなでなんと松子は中州のソープ嬢となり、店のトップにまでなるのだが・・・。
みどころ
これをミュージカル映画といってしまうには少々乱暴かもしれないですが、音楽で物語を表現しているという意味でわたしはこれはミュージカルであると思っています。
日本のミュージカル作品で唯一大好きだと思える作品です。
邦画でミュージカル映画を作ろうと思った場合、セリフを日本語でながなが歌ってしまうのは違和感があり、とてもハードルが高いので、やっぱりこの作品のミュージカル度合いぐらいが、日本人にとって受け入れられやすいものなのかなと思います。
不器用だけどいつも一所懸命で愛に飢えた松子の生涯に心を抉られまくります。
残酷で不遇な松子の人生をコミカルかつリズミカルに描き、美しくオリジナリティー溢れるポップな映像でエンタメ作品へと昇華することにも成功しています。
中谷美紀の振り切った体当たりの演技にも注目。
舞妓はレディ
あらすじ
京都の歴史ある花街、下八軒のお茶屋・万寿楽は舞妓さんがもう舞妓というには年を取り過ぎてしまっている舞妓・百春(田畑智子)たった一人しかいないという問題を抱えていました。
ある日そんな万寿楽に舞妓になりたいという一人の少女・春子(上白石萌音)が現れました。
鹿児島弁と津軽弁がまじった方言まるだしで話す春子は最初相手にもしてもらえなかったが、言語学者の京野(長谷川博己)が春子に興味をしめし、晴れて万寿楽の仕込み(見習い)となることができました。
先輩お姉さんの身の回りのお世話、京ことばの練習や芸を磨くお稽古に一生懸命に励む春子だが、なかなかうまくいかない毎日。
はたして春子はりっぱな舞妓さんになることができるのかー。
みどころ
真正面からごく素直にミュージカル映画に挑戦しているように感じる今作。
もしかしたらミュージカル映画が苦手な人にとってはその代表のような作品かもしれません。
だけどミュージカル好きな人にとっては、ベテラン俳優たちの気合いの入ったミュージカルシーンなど見ごたえとしてバッチリです。
それに加え京都の舞妓さんや芸子さんが置かれる特殊な世界を垣間見れることの面白さもあります。
そして特筆すべきはこれが初主演映画の上白石萌音ちゃんについて。
彼女は800名を超えるオーディション参加者の中からこの役を勝ち取ったそうです。
萌音ちゃんの澄んだきれいな歌声と上手いダンス、そして演技力にびっくりでした。
上白石萌音ちゃんは素朴であか抜けない感じなのに、観ているうちにどんどん可愛く見えてくるから不思議。容姿にたよらない女優としての素質を要所要所で強く感じます。
まとめ
- ダンスウィズミー:”急に歌い踊りだす”というミュージカルでの違和感を逆手にとって物語の主軸に盛り込んでしまうという荒業でもって展開していく作品
- 嫌われ松子の一生:セリフを歌うシーンはごく最小限。残酷で不遇な松子の人生をコミカルかつリズミカルに描き、エンタメ作品へと昇華した作品
- 舞妓はレディ:京都の舞妓さんや芸子さんが置かれる特殊な世界を描きながら、真正面からの直球でミュージカル映画に挑戦した作品。
和製ミュージカル映画を日本でヒットさせるのってホントに難しいと思います。
もともとミュージカル映画が好きな私ですら邦画だと、なんだかこっちが恥ずかしくなってくるような違和感を感じることもしばしば。
ヒットさせるのが難しく、そのため作品の少ない邦画ミュージカル映画。
そんな中、今回ご紹介した3作品は珍しく邦画でもおすすめなミュージカル映画なので、観たことのないものがあればぜひ観賞してみてください♪