過去の記事で、多肉植物の増やし方に関して、
「葉挿し」「株分」を紹介させて頂きました。
この二種類だけでも、多くの多肉植物を増やすことが出来ます。
そして、今回のテーマは「挿し木」!
挿し木は、多肉植物に限らず、いろいろな植物で行われていますよね。
多肉植物の挿し木もとても簡単ですが、
中には、「何故か根っこが出てこない(発根しない)で枯れちゃった」なんて事も。
挿し木の方法と、根っこが出ない場合の原因について、確認していきましょう!
目次
挿し木の方法
「挿し木」とは、伸びた茎をカットして土に挿し、数を増やす方法です。
方法はとても簡単で、ざっとまとめるとこんな感じ。
挿し木の方法
- 土に挿して増やす部分をハサミでカット。
(カットした茎を挿し穂と言います。)
ハサミは清潔な物を使用しましょう。
土から上の部分の長さに応じて、土に挿す部分の長さを調整しながら、
茎をカットします。 - 土に挿す部分の葉っぱを取り除く。
左右に揺らしながら、茎が傷まないように取りましょう。
うまく取れたら、その葉っぱで葉挿し出来るかもしれませんよ♪ - カットした挿し穂の切り口が乾くまで、数日待つ。
- 乾いた土に挿し穂を挿して、明るい日陰で管理。
- 2週間程度待って発根してから、水やり。
- 完了★
挿し木から発根しない……考えられる原因は?
多肉植物は生命力が強いけれど、時には失敗してしまうことも。
私もまだ勉強中ですが、発根しなかった原因について、まとめてみました。
その1 挿し木に適した時期ではなかった
多肉植物を育てる上では、
何はともあれ、作業する時期って大切です。
多肉植物は、品種ごとに「成長期」「休眠期」があります。
春秋型なら春と秋が成長期、夏と冬が休眠期、という感じですね。
活動がとまる休眠期に挿し木しても、なかなか根っこは出せません。
成長期に挿し木することで、成功する可能性は高くなります。
その2 置き場所がイマイチだった
発根を待っている間、管理する場所を見直してみましょう。
暗く、日差しがほとんど届かない場所では、
光合成も出来なくて、根っこを出すための力が出せません。
かといって、カンカン照りで日差しの強い場所では、葉が焼けてしまう可能性も;
「明るい日陰」がベストです。「半日陰」とも言います。
一日に数時間日が当たる、陽だまりみたいなイメージですね。
屋内なら、レースカーテン越しに日差しが届くような場所です。
もちろん、日当たりを意識しすぎて、風通しを忘れてはいけません!
日差しは文句ないのに、風が通らない……
そんな場合は、時々扇風機を回してみるとか、空気が動く工夫をしてみましょう。
その3 水やりをし過ぎた
早く根を出して欲しいから、と、すぐに水やりを開始していませんか?
どうやらそれ、逆効果みたいですよ。
いろんなサイトや本を見てみますが、大概、
2週間程度開けてから、水やりをすることを推奨しています。
その4 土がイマイチだった
多肉植物の土は、湿気がこもらないよう、撥水性が良くなっています。
通常であれば何も問題ないのですが、
根っこがない挿し穂の場合、撥水が良すぎると、イマイチ水をうまく吸えない様子。
じゃあどれくらいの土が良いのか……それがなかなか、難しいところなんですが;
私の場合、根腐れ防止剤入りで、ちょっと土が細かめの、多肉植物用の土を使っています。
その5 個性……?
同じ親株から茎を切って、同じように管理して、同じように土に挿しても、
何故か発根しない多肉さんもいます。
理由は全くわかりません!謎!
切り口を乾かさずに土に植えても、問題なく発根する子もいるし……
何なんでしょうねぇ(´・ω・`)
こういう場合はもう、「個性だな」ということにして、割り切っちゃってます(笑)
挿し木に適した品種
個人的には、茎さえあれば、どの品種でも可能なんじゃないかと思っています。
(※一部例外はありますが。)
ただ、上に伸びるような、または茎を伸ばしながら成長する品種は、
挿し木しやすいなと思うので、以下にご紹介しますね。
- グラプトペタルム
種類としては、エケベリアに近いですが、エケベリアと違い、
茎が立ち上がるように育つのが特徴です。
伸びた茎はハサミで切りやすく、その後の定着も良い感じです。
- クラッスラ
同じクラッスラ系でも、低く広がるものや柱のように葉が連なるものなど、
いろいろな形が見られます。
その中でも「銀揃(ぎんぞろえ)」は枝分かれするように上に伸びるので、
挿し木しやすいです。
- セダム
生命力が強く、ぐんぐん成長します。茎も細いので、はさみで切りやすい。
ただ、葉っぱが小さく、密集して育つタイプの物は、
高温多湿に注意して育てましょう。
- アオエニウム
葉っぱの色が赤黒い「黒法師(くろほうし)」や、
緑に黄色やピンクの差し色がある「サンバースト」が人気です。
冬型なので、挿し木するときは秋か春先に行いましょう。
まとめ
挿し木の方法
- 土に挿して増やす部分をハサミでカット
- 土に挿す部分の葉っぱを取り除く
- カットした挿し穂の切り口が乾くまで、数日待つ。
- 乾いた土に挿し穂を挿して、明るい日陰で管理。
- 2週間程度待って発根してから、水やり。
挿し木したけど発根しない場合に考えられる理由
- 挿し木に適した時期にしていない→成長期に挿し木しましょう。
- 置き場所が悪い→明るさ、風通しを見直しましょう。
- 水やりし過ぎ→挿し木から2週間開けてから水やりしましょう。
- 土が合っていない→適度に保湿性のある物を探しましょう。
- 個性、かも→残念だけど、割り切っちゃいましょう(・▽・;)
挿し木に適した品種
概ねどの品種でも出来そうだが、茎を伸ばしながら育つ品種は、挿し木しやすい。
- グラプトペタルム
- クラッスラ
- セダム
- アオエニウム など
挿し木は、育ちすぎて形が崩れてしまった多肉植物や、
バランスが悪くなってしまった寄せ植えの形を整えるときにも、行うことが出来ます。
茎を切った親株からは、新しい芽が出ます。
成長期を確認しながら、是非、挑戦してみてください!
ちなみに、葉挿し、株分けについてまとめた記事はこちら↓