「後で飲もう♪」と大事に仕舞っておいた日本酒。
ついうっかり忘れてしまって、何ヶ月も経ってから出てきた時にがっかりしたご経験、ありませんか?
放置してからかなりの時間が経過していると、「これ、未開封のままだけど…。まだ飲めるのかしら?」と不安になりますよね?
私たちが普段、口にする食品や飲料には賞味期限や消費期限が表示されていて、それが当たり前のようになっています。
ですが、日本酒にはそれが表示されていません。
私はこの表示について最近知ったのですが、皆さんは気がついていましたか?口に入るものなのに、不思議ですよね。
今回は、日本酒を美味しく味わって頂くための賞味期限と、未開封時の保存方法についてお伝えします。
目次
日本酒の表示は賞味期限ではなく、なぜ『製造年月』?
日本酒のラベルに記載されているのは、賞味期限ではなく、『製造年月』です。これは、「お酒をいつ醸造したか?」を表示しているのではなく、「いつ瓶に詰められて出荷出来る状態になったか?」ということを示しています。
何故かと言うと、製造年月をラベルに記載することが法律上義務付けられているためです。これは出荷の段階で、酒税が課税されるという税法上の理由からです。
賞味期限の観点から調べてみると、日本酒には表示する義務はないようです。日本酒はアルコールによる殺菌作用で、長期保存が利くことから表示義務の対象ではないのです。
同じ酒類のワインや焼酎、ウィスキーなども同様のことが言えます。
では、賞味期限の表示義務のない日本酒は、未開封であれば風味を損なうことなく、何年も経過したものを安心して飲むことが出来るのでしょうか?
未開封の日本酒の”賞味期限”は?
未開封の日本酒は、製造年月から時間が経過していたとしても、熟成によって味わいに変化が出てきますが、飲酒に問題はありません。
とは言っても、やはり風味を損なわずに美味しく飲める期間はあります。
製造方法によってベストの期間が異なる
日本酒を安定した品質にするために加熱処理をする作業ことを『火入れ』と言います。
この火入れの回数の違いによって美味しく飲める期間が変わるのです。
【 通常の日本酒の場合 】
火入れを2回(お酒を搾った後の貯蔵前と瓶に詰める前)行った日本酒は、製造年月から約1年以内に飲むのがベストです。
【 「生」と書かれた日本酒の場合 】
「生」タイプの日本酒は3種類あります。
生酒 | 一度も火入れを行わない日本酒のこと |
生貯蔵酒 | 瓶に詰める前に一度だけ火入れを行ったもの |
生詰酒 | 搾ったお酒を貯蔵前に一度だけ火入れを行ったもの |
何れも、製造年月から半年以内です。
但し、保存状態によって変化することがありますので、これはあくまでも目安として参考にしてみてください。気になる場合は、購入の際に確認されるといいと思います。
ちなみに、開栓後は早めに飲み切るようにしましょう。
特に「生」タイプは通常の日本酒よりも、変化を受けやすいので7日~10日以内に飲み切ってくださいね。
美味しさを保つ保存方法
未開封の日本酒をいい状態で保存するには、2つのポイントが重要です!
紫外線はNG
私たちも紫外線はとても気になりますが、日本酒にとっても直射日光や紫外線は大敵です。
日本酒は直射日光を浴びると、数時間程度で変色してしまうほどデリケートなお酒です。劣化すると香りが飛んで、風味も落ちてしまいます。
そのため、遮光瓶が使用されています。
紫外線を吸収しにくい瓶を順番に並べると、このようになります。
- 黒っぽい瓶
- 茶色の瓶
- 緑色の瓶
- 青色の瓶
- 透明の瓶
余談ですが、紙パックの日本酒が一番紫外線を通しません(笑)
屋外で日本酒を飲まれるときは、紙パックか黒っぽい瓶が安心ですね。
そして、家の中でも注意が必要です。蛍光灯からも紫外線が出ますので、蛍光灯の光にも気をつけたいものです。
温度管理も重要
紫外線と同じくらい重要なのが温度です。特に高温はNGです。
高温で長い間保存してしまうと、「老香(ひねか)」という劣化した臭いが発生することがあります。
急激な温度変化も品質に影響を及ぼしますので、一定の温度が保てる場所での保存が理想です。
保存場所は?
お酒の種類によって、適した保存場所があります。
●冷暗所での保存向き:純米酒、本醸造酒、古酒
直射日光や紫外線を避けられ、温度が低く一定した冷暗所で保存します。更に瓶を新聞紙で包んで保存すると、紫外線から守ることができますよ。
冷暗所がなければ、冷蔵庫保存でも問題はありません。
●冷蔵庫での保存向き:生酒、吟醸酒
どちらもお酒の品質上、温度が高い場所での保存には不向きなタイプですので、冷蔵庫で保存するとよいでしょう。
まとめ
今回は、未開封の日本酒の賞味期限と保存方法についてご紹介しました。
- 日本酒のラベル表示にあるのは、賞味期限ではなく「製造年月」でした!
- 賞味期限が設けられていなくても、風味を損なわずに美味しく飲める期間はあり、それは製造方法によって違いました!
- 未開封の日本酒は、ちょっと手をかけることで美味しさを保つ保存の方法と最適な場所がありました。
日本酒はデリケートですが、ちょっと気をつけるだけで風味が変化することなく堪能できます。
美味しいお酒をより美味しく楽しんでくだ頂くために、是非お試しくださいね♪