近年メンタルの不調を訴える人が多いことから、注目されている心理カウンセラー。
「人のためになることがしたい!」
「社会貢献できる仕事がしたい!」
「困っている人を助けたい!」
そんな思いで心理カウンセラーを目指されているのではないでしょうか?
人のことを思えることはとっても素敵なことですよね。
ただ、営業や人事などと同じように仕事は仕事です。
お客様がいて、価値を提供して、お金をいただく、そのことに違いはありません。
職業である以上、就職前に注意をしなくてはいけない点もあります。
今回はプロから聞いた、カウンセラーのリアルをお伝えします。
目次
そもそもカウンセリングの目的って?
カウンリングの目的は、相談者の問題解決です。
医者とは違い、問題解決のために薬を投与することはしません。(そもそも資格がないので違法です。)
カウンセリングでは、対話を通して、相談者自ら悩みを解決していきます。
カウンセラーはその人に寄り添い、傾聴し、時には質問をすることで、クライアント自身が悩みを明確にして、解決のための行動を手助けをすることが仕事です。
カウンセラーの成果って何?
営業だったら売上数字、人事だったら採用数、事務だったら時間内での作業量など、仕事には成果が測るための指標があります。
それではカウンセラーの成果とはなんでしょうか?
それは、顧客の満足度です。
もっと具体的にいうと、リピート率や紹介数になります。
カウンセラーの価値に満足された顧客は別の悩みが出てきた時に同じカウンセラーを頼ろうと思いますし、悩んでいる知人がいれば紹介したくなります。
カウンセラーは、顧客からの信頼の積み重ねが成果として現れるのです。
カウンセリングの流れ
どのように相談者の問題解決をしていくのでしょうか?
流れは下記の通りになります。
①ラポール形成
②分析
③積極的アプローチ
④統合
①ラポール形成
簡単にいうと、信頼関係の構築です。
自分の深刻な悩みを伝えるわけですから、信頼できない人には話したくはないですよね。
日常生活でも、この友達には話したいけど、この人には絶対に話したくないな、ということあると思います。
カウンセラーとはいえ、最初は赤の他人であるので、信頼関係の構築は絶対に必要になります。そうしなければ相手は悩みを相談したくありません。
自分もカウンセリングを受けた経験があるのですが、その時のカウンセラーは最初から頭ごなしなコミュニケーションで非常に嫌な思いをしました。
結局、その人に相談をする気が全くおきず、最悪な1時間を過ごしました。
②分析
相談者の自己分析を促します。
何が苦しいのか、なぜ苦しいと思うのか、過去に同じ経験があったのか、など、今の悩みからその人がどういう人かを分析してきます。
この分析はカウンセラーがするのではなく、あくまで相談者自身が気づいていくサポートをします。
③積極的アプローチ
今まで受容や共感、質問を通して、相手のことを知っていきました。
この段階では、悩みを解決していくためにカウンセラーからアプローチをしていきます。
例えば、カウンセラーが相談者を見ていて感じたことを伝えたり、相談者が知らない情報の提供をしたり、言っていることの矛盾を指摘したりします。
このように第三者からの意見があることで問題を明確化、解決していくことを促します。
④統合
ここまで向き合った相談者が、自ら課題解決され、
表情が明るくなった時は、とてつもないやりがいを感じます。
プロ直伝、カウンセラーを目指す上での注意点
相手との境界線を明確に
カウンセラーを目指される方は、とても人想いで共感力の高い方が多いです。
それゆえ相手に寄り添うことができ、関係は構築しやすいです。
一方相手の感情をもろに受け、相手の悩みをまるで自分の悩みのように受け取ります。
そのことでカウンセラー自身が病んでしまうことも珍しくありません。
そのため、相手と自分の境界線をはっきりさせる意識を持つことは大事です。
カウンセラーはあくまでカウンセラーであり、相談者やその家族や友達ではありません。
その方の悩みを傾聴して解決するためのパートナーです。
その意識をもつことが相手にとっても非常に重要になります。
何よりも自分の心のケア
カウンセラーは日々心の悩みや負の感情に触れます。
いくら境界線を意識していても、ダメージが0にはなりません。
カウンセラーだって人間です。
そのため受けた影響を吐き出したり、整理することは必須になります。
プロはセルフカウンセリングを怠りません。
そもそもセルフカウンセリングできない人が、誰かのカウンセリングなどできません。
一人で難しい場合は他のカウンセラーを雇っていることもあります。
プロとして活動していく以上、自分の心のケアが必ず必要になります。
メサイアコンプレックスに注意
メサイアコンプレックスとは罪悪感、劣等感、無価値観、低い自己肯定感などによって人を救うことで自分に価値を感じたり罪悪感を払しょくしようという心理状態です。
引用:こころにまるを
人に貢献したい、と思うのは素晴らしいことです。
しかし、自分の自信のなさや自己肯定感の低さを埋めるために、他者貢献したいと思っていることもあります。
その場合、カウンセリングの目的である相談者の課題解決を願うことができなくなります。
「課題解決してしまうと自分は要らなくなってしまう」
「相手にもっと頼って欲しい」
「相談者が自分から離れていくのが耐えられない」
そんな感情が次々と浮かび、カウンセラーが相談者に依存してしまうのです。
そういう方は必ず心に傷を追っています。
今までその傷を抉られ(えぐられ)ないように、自分を守るために、他者貢献の行動をされています。
たとえ自分のキャパを超えてでも、相手に貢献しようとしてしまうのです。
そんな方はまず自分がカウンセリングを受け、心の傷を癒すことをお勧めします。
それからでもカウンセラーを目指すのは遅くありません。
傷が癒された先に、カウンセラー以外のやりたいことも見てくるかもしれません。
他者貢献だけに囚われない人生を歩んでいきましょう。
まとめ
- カウンセリングの目的は相談者の課題解決
- カウンセラーは関係構築、傾聴、積極的アプローチから課題解決を促す
- ミイラ取りがミイラにならないように注意しよう
- まずは自分がカウンセリングを受けてみるのも1つ
今回は現役プロカウンセラーから聞いたリアルをお伝えしました。
あなたの貢献心は必ず世界に良い影響を与えます。
その思いを成就させるためにも、まずは自分と向き合っていきましょう。
きっと明るい世界が待っています。