住野よる先生の作品、『か「」く「」し「」ご「」と「』
タイトルを見て、文字化けなのか？と思ってしまうくらい不思議なタイトルでとても興味を惹かれますよね。
住野よる先生といえば、デビュー作「君の膵臓が食べたい」で大ヒットした作者です。
そんな方の作品、『か「」く「」し「」ご「」と「』はどんな内容か気になりますよね。
そして、今作のタイトルがなぜこんな不思議なタイトルなのかはとても気になります。
今回は、『か「」く「」し「」ご「」と「』がどんな内容なのか、気になるタイトルの意味についてまとめました。
目次
『か「」く「」し「」ご「」と「』あらすじ
この作品は、特別なちからをもつ５人の高校生のなんの変哲もないありふれた日常が舞台のストーリーです。
このストーリーは1～5章にわかれています。各章、それぞれ５人の視点で書かれています。
また、５人の高校生の特別なちからはそれぞれ異なった性質のちからです。
それでは、各章別にあらすじをご紹介します。
か「」く「」し「」ご「」と「各章ごとあらすじと人物紹介
京「か、く。し！ご？と」（第１章）
地味で自分に自信のない内気な性格の大塚京（おおつかきょう）。
人の頭に！・？・。・、が見え、人の気持ちがわかるという能力を持っています。
驚いたり嬉しかったりすると「！」、疑問に思うことがあると「？」が頭の上に見えます。
隣の席に座っているエル（宮里）とは控えめな性格同士で気が合い仲良くなりました。
ある日、エルの使っているシャンプーについて問いかけます。エルが使っているシャンプーはリビアンというシャンプーでイケている子達が使っているシャンプーと同じものでした。
イケている子たちと同じシャンプーを使っていることに後ろめたさを感じていたエル。そのことをからかわれたと感じ傷ついてしまいます。
人の心が見えてしまうことで，京はエルの心が見えてしまい勘違いをしてしまいます。
勘違いしてあまり喋らなくなってしまった京の態度をエルは冷たく感じ、登校拒否に…
ミッキー「か／く＼し＝ご＊と」（第２章）
明るくて男勝りな性格のミッキー（三木）。
人の心が+に動くか－に動くかの感情の変化が見える能力を持っています。
文化祭の出し物でヒーローショーをすることになったミッキーのクラス。
当日のショーでミッキーはヒーローを無難にやり遂げます。ですが、最後のセリフが飛んでしまいます。
そして、パラ（黒田）の特殊能力に助けられ…
パラ「か１く２し３ご４と」（第3章）
パッパラパーで予測不能な行動えをとることが由来してパラ（黒田）というあだ名が付きました。
人の心拍数がみえる能力の持ち主。
パラたちは修学旅行で沖縄に行くことに。パラたちの学校では修学旅行で2人きりになって鈴を渡した相手といつまでも一緒にいられるというジンクスがありました。
修学旅行中にパラは熱中症で倒れてしまいます。班長として連絡事項を伝えに来たヅカ（高崎博文）に自分のことが嫌いかどうかを問われます。
冗談で返そうと思ったパラですが、ミッキー（三木）の顔が浮かび正直に話すことに…
そして、パラの気持ちが少しずつ変わっていくのです。
ヅカ「か♠く♢し♣ご♡と」(第4章）
昔から美形で女の子みたいな顔をしていて、宝塚に入れそうという由来からヅカ（高崎博文）とあだ名が付きました。
人の頭の上に♠（喜）、♢（怒）、♣（哀）♡（楽）が見える、人の気持ちがわかる能力の持ち主です。
ある日、ミッキーの発案で5人でお花見に行くことに…
エルの頭の上に大きな♣が見えて、エルを気にするヅカ。そして、エルは途中で席を外してしまうのです。
そのあとを追いかけるヅカ。そして、エルの本音を聞きます。
すべてのことを自分と関連付けて悩んでしまうエル。自分にないものを持っているエルに惹かれていくヅカ。
そして、ヅカはエルに秘密の告白をするのです
エル「か→く↓し←ご↑と」（第5章）
内気で控えめな性格のエル（宮里）
人の恋心が矢印として見える能力を持っています。
人の恋心は見えるものの、自分に向かう矢印は見えないため誰からも好かれていないと勘違いしています。
ミッキーと京が両想いになっていることに気づいたエル。
ミッキーは京に告白しようとするのですが、行き違いで振られたと思いその場を立ち去ったミッキー。
ミッキーの矢印はまだ京に向いていることを確認したエルは、京に後を追うように言います。
エルの一言があり、ミッキーと京はカップルに…
エルはこの時のために自分の力があるのでは…と思うようになります。
タイトルの意味は？
この『か「」く「」し「」ご「」と「』という不思議なタイトルは、作品に登場する5人の高校生の不思議な力に関係しています。
間に入っている記号がその能力を表しています。
5人の能力はどれもちょっとだけ他人の気持ちがわかるものです。
すべてがわかるわけではないので、考えすぎて勘違いしてしまったりすれ違ってしまったりしていくのです。
何より、必要以上に人の気持ちを感じ取ってしまう5人は自分の振る舞いも人一倍気にしてしまいます。
この作品は、対人関係の悩みや簡単に伝えられない思いなどの描写が多いです。
自分の気持ちをわかってくれるひとがこの世界にはいるということを感じさせてくれる作品だと感じます。
まとめ
- 不思議な力をもつ5人の高校生のストーリー
- 能力があるが故の悩み
- 5人の不思議な能力に関連したタイトル
不思議なタイトルに惹かれて、気になった方も多いと思います。
この作品はとても奥が深いモノだなと感じました。
対人関係で悩んでいるときに読んでみると、自分の気持ちを代弁してくれ心をスッと軽くしてくれる作品です。
一度、ご覧になってはいかがですか？
