4月に入ると時候の挨拶が必要になる機会が増えますよね。だけど、時期によって挨拶の文章が変わったり、季語や挨拶の書き出しが変わるので分かりづらいですよね。
そこで今回は、これから入社式の挨拶や転勤や昇進などの挨拶に必要となる方の為に、難しい時候の挨拶を分かりやすく解説します!
丁寧な場合と、一般的な場合と分けて解説しますので、あなたに必要な時候の挨拶を本記事で学んでくださいね♪
目次
4月の時候の挨拶を書く前に
まずは、時候の挨拶を書く前に理解しておくべき2つのポイントについて知っておきましょう。
季語を入れる
4月の時候の挨拶は、手紙などにも季語を入れるのがマナーとなっています。季語は大きく分けて3つに分類されます。それは下記の通りです。
- 動物
- 植物
- 風物
季語を表す例としては下記の通り。
動物 | すずめ | ひばり | つばめ | 蝶々 |
植物 | 桜 | チューリップ | 菜の花 | タケノコ |
風物 | お花見 | 入学式 | 桜前線 | 草餅 |
大体こんな感じです。上記の他にも春の季節に合ったものなら大体はOKですよ。北国や、暖かい地域では、時期によって季語を表すものが大分変わりますので、そこもまた味があってよいと思います。
送付日によって書き出しが変わる
手紙の送付する日によって文章の書き出しが変わるという事を覚えておきましょう。
例えば、寒い冬を乗り越えて暖かい4月の春になったというのに、文章の書き出しが「寒冷の候」や「酷寒の候」などという書き出しは誰がどう見ても不自然ですよね。
手紙を書いている時期ではなく、「手紙を送付する日」の時期によって書き出しの文章が変わるという事です。
4月の時候の挨拶の例文
4月の時候の挨拶の例文を見ていきましょう。時候の挨拶は、挨拶をする相手によって多少変わりますので、そこにも注目してくださいね。
頭語と結語を使い分けよう
手紙などを頂いたときによく目にする「拝啓~から始まり、敬具」で締めている文章を見たことがあると思います。
拝啓などの書き出しの最初に使用する言葉を「頭語」といい敬具等の最後に締めくくる言葉を「結語」と言います。
実は、様々なシーンによって使い分けが必要なのです。主な使い方は下記をご覧ください。
- 一般的な手紙:拝啓-敬具
- あらたまった手紙:謹啓-謹言
- 前文を省略する手紙:前略-草々
- 緊急の手紙:急啓-草々
- 返信の手紙:拝復-敬具
頭語と結語は決まった使い方があるので注意しましょう。例えば、頭語が「拝啓」なのに対して結語が「謹言」といったような使い方はしません。
上記の他にも使い方はありますが、慣れるまではまずは上記の使い方を学んでおきましょう。
上旬(3月21日頃から4月4日頃まで)
4月の4日頃までを上旬の時候の挨拶となります。なぜ「頃」というあいまいな表現かというと、その年によって寒かったり暖かったりするからです。
上旬に使用する時候の書き出しを見ていきましょう。
- 春分の候(しゅんぶんのこう)
- 春暖の候(しゅんだんのこう)
- 春陽の候(しゅんようのこう)
- 仲春の候(ちゅうしゅんのこう)
「〇〇の候」は「〇〇というふうに季節も移り変わってきましたが」という意味があります。
ビジネス文書などの丁寧に時候の挨拶分を書き出すときの例文を見ていきましょう。
粛啓 春分の候、貴社にはますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
(主文省略)
敬白
続いて親しい人に送る場合を見ていきましょう。
拝啓 春宵一刻価千金の頃となり、ますますご壮健にてお過ごしのことと存じます。
(主文省略)
敬具
丁寧な文章の時と親しい人に送る一般的な文章の違いで大きく違うのは、頭語と結語の他にも、丁寧な文書は「漢語調」で一般的な場合は「口語調」となっています。
漢語調とは、ビジネスなどのかしこまった手紙を書くときなどにつかう表現で、口語調とは、普通の日常的な生活の中での会話で用いられる言葉遣いのことです。
時候の挨拶をする相手によって使い分けが重要となります。
中旬(4月5日頃から4月19日頃まで)
4月の中旬の時候の挨拶を見ていきましょう。
- 桜花の候(おうかのこう)
- 麗春の候(れいしゅんのこう)
- 清和の候(せいわのこう)
- 春爛漫の候(はるらんまんのこう)
- 春風駘蕩の候(しゅんぷうたいとうのこう)
- 春粧の候(しゅんそうのこう)
中旬の挨拶で丁寧な表現の場合の例。
謹呈 麗春の候、貴社ますますご清栄のことと慶賀の至りに存じます。平素は身に余るご高配にあずかり誠にありがとうございます。
(主文省略)
謹白
次に一般的な相手に書く場合の例。
拝啓 色とりどりにさまざまな花が咲き競う、美しい季節を迎えました。日々お元気でお勤めのこととお喜び申し上げます。
(主文省略)
敬具
中旬に使用する時候の挨拶を、上旬に使用する時候の挨拶と間違えないように注意しましょう。
下旬(4月20日から5月5日頃まで)
下旬の挨拶は5月5日頃までです。時候の挨拶は下記の通りです。
- 晩春の候(ばんしゅんのこう)
- 惜春の候(せきしゅんのこう)
- 穀雨の候(こくうのこう)
下旬の場合は4月20日から5日おきに以下の表現があるので覚えておきましょう。
- 葭始生(あしはじめてしょうず):葦(あし)が芽生え始める時期(4月20日頃)
- 霜止出苗(しもやんでなえいずる):霜が終わって稲の苗が生長する時期(4月25日頃)
- 牡丹華(ぼたんはなさく):牡丹の花が咲く時期(4月30日頃)
それでは、下旬の時候の挨拶の丁寧な例文を見ていきます。
恭啓 晩春の候、貴社にはいよいよご盛栄の段、お慶び申し上げます。
(主文省略)
頓首
続いて一般的な場合の例文です。
一般的な表現の例文
拝啓 卯月にふさわしく、庭の卯の花がようやく白い花を咲かせました。ご機嫌いかがでいらっしゃいますでしょうか。
(主文省略)
敬具
まとめ
- 時候の挨拶を書く前に2つのポイントについて理解しよう!
- 4月の時候の挨拶は、親しい関係に送る手紙などにも季語を入れるのがマナー
- 文章の書き出しは書いている日ではなく手紙の送付する日によって変わる
- 頭語と結語は決まった使い方があるので注意しよう!
- 上旬・中旬・下旬によって時候の挨拶の書き出しに注意が必要
- 丁寧な文書は「漢語調」で一般的な場合は「口語調」で書くこと!
4月は色々な場面で挨拶をする機会があると思います。
時候の挨拶は上旬・中旬・下旬によって変わるという事が分かったと思います。そして、丁寧な場合と一般的な場合とでも書き方が違います。
慣れるまでは自分で考えるのは非常に難しいので、慣れた人に頼むか、例文を活用しましょう。
慣れてきたら、あなただけにしか書けない時候の挨拶を披露してくださいね♪きっと周りから尊敬されると思いますよ!