梅雨の時期はどうしても気分が晴れないという人も多いのではないでしょうか?
天気はいつもどんよりだし、外に出ようと思ったら雨が降っていて外出もままならなかったり…
「じめじめしていて何をしていてもやる気になれない…」
そんな方におすすめしたいのがクラシック音楽の鑑賞です!
クラシック音楽の中には「雨」をテーマとした作品がたくさんあります。どの作品もとても美しく、雨がちょっぴり好きになれるかもしれません…!
また、クラシック音楽にはリラックスできる効果もあります!
「今日は外でアウトドアを楽しむ予定だったのにな…」
と残念に思っている方も、クラシック音楽なら家の中にいながら非日常の気分を味わえますよ!
というわけで、今回は「雨」をテーマにした作品を3曲紹介したいと思います!
目次
ショパン:雨だれ
まずはショパンが作曲した「雨だれ」を紹介したいと思います。
ショパンは数多くのピアノ曲を作曲した人です。ピアノの詩人とも呼ばれ、その作品は現在でも多くのピアニストに引き継がれています。
「雨だれ」もそんな作品の一つ。
とても美しく、ときに悲しげなメロディが紡がれますが、それにはこの曲を作った背景が関係しています。
それはある女性との恋物語です。
その女性は作家であるジョルジュ・サンド。出会いの印象こそよくなかったものの、出会いから1年後に二人は急接近。そして恋人関係となりました。
しかし、なんとジョルジュ・サンドは友人の愛人だったのです…!その友人は同じく作曲家として名高いリスト!
当然ながら大スキャンダルです!
そこで二人は、地中海に浮かぶマヨルカ島へ逃げるように長期旅行に出かけます。しかし、ショパンはもとより病弱で、島に到着したのちに体調を崩してしまいます。
生死をさまようショパンをサンドは献身的に支えていたある日、ことは起こります。サンドが一人で買い物に出かけたときに、突然の嵐が島に訪れます…!そのときショパンは修道院で一人っきり。自分がいつ死ぬかも分からない状況の中とても不安だったのか、彼は自身が作曲したばかりの曲をピアノで弾きながらサンドの帰りを待っていました。
その曲こそがこの「雨だれ」なのです。
そんなエピソードを踏まえながらこの曲を聴いてみると、梅雨の憂鬱とした雨にも少しドラマを感じませんか…?
ドビュッシー:雨の庭
続いて紹介するのはドビュッシーが作曲した「雨の庭」です!
こちらもピアノ曲で、「版画」と名付けられたピアノ曲集のうちの1曲です。
「版画」は「塔」、「グラナダの夕べ」、そして「雨の庭」の3曲からできています。いずれもその題名の絵が思い浮かぶような、風景を音で描写したかのような作品になっています。
「雨の庭」はドビュッシーの母国であるフランスの庭園に降り注ぐ雨がモチーフになっているといわれています。演奏時間は3分ほどの短い曲ですが、フランスの童謡が曲中に引用されています。
日本の梅雨の雨はじめじめとした印象ですが、この作品の雨はもう少しからっとした印象です。
「同じ雨でも国によってこんなに捉え方が違うんだな~」と感じることができる作品でもあります!
武満徹:雨の樹
最後の作品は日本人作曲のものを選びました!
日本を代表する作曲家、武満徹の「雨の樹」です。
先に紹介したの2つの作品はピアノ曲でしたが、これは違います。打楽器奏者3人のために作られた作品です。打楽器というとたくさんの種類がありますが、この曲では3種類の楽器が使われます。
木琴の仲間であるマリンバ、ジャズでよく用いられる鉄琴のビブラフォン、そしてアンティークシンバルと呼ばれる金属の円盤が並んだ打楽器です。
20世紀に作曲された作品でいわゆる現代音楽の部類に入ります。
現代音楽というとなんだか難しそう…と思う人も多いと思います。
でも心配いりません!この曲は日本人が作曲したということもあり、感覚的にも受け入れやすい作品です!
3種類の打楽器による一つ一つの音が雨粒のように感じられるだけではありません。
雨粒の一つ一つが多彩な響きを持っており、まるでファンタジーの世界の中に迷い込んでしまったかのような不思議な気分を味わえます!
まとめ
今回は「雨」をテーマとしたクラシック音楽の作品を紹介しました!
- ショパン:雨だれ
- ドビュッシー:雨の庭
- 武満徹:雨の樹
キャラクターの異なる曲を3つ集めたので、聴き比べるのも楽しいと思います!
「雨」以外の作品も聴いてみたいな…と思った方は、こちらの記事も参考にしてみて下さい。
さあ、雨でふさぎ込んだ心をクラシック音楽でリフレッシュしましょう!