あなたは日本酒はお好きですか?
私は好きで、家でもよく飲みます。
冷や(常温)、冷酒、燗をつけたり、と好みの飲み方で楽しめるのがいいですね。
口にする度に、「美味しいなぁ」としみじみ思うのです。
でも、日本酒は種類が多くて、その時の気分にぴったりのものをチョイスしたり、贈り物を探す時に、難しく感じることがあります。
お店で「どんなものをお探しですか?」などと聞かれると、どう表現していいのかわからずに、うまく伝えられなくて困っていました。
こんなご経験、あなたもありませんか?
ところが最近、いい情報を入手できました。
日本酒の味わいと香りで、4タイプに分類できることを知ったんです。
日本酒検定や唎酒師の資格認定などを行っている、日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会(SSI)さんの『4タイプ分類法』というメソッドです。
まずこちらについて解説していきたいと思います。
目次
日本酒の4タイプ分類法とは
日本酒のわかりやすい提供方法を見つけるために数年かけて研究。
21,000種(‼)にも及ぶテイスティングを行って、”香りと味わいで4タイプに分けられる”という結論に辿り着き、纏めたものだそうです。
これを知ってからどんな種類のお酒なのか、おおよそ見当が付くようになりました。
食事の際も「このメニューには純米酒がいいかも」と、お料理との相性が分かるようになって、選ぶ幅が広がり、更に楽しめるようになったのです。
日本酒4タイプ
①薫酒 | 香りが華やかで味は軽やかタイプ |
②爽酒 | 爽やかなスッキリとしたタイプ |
③醇酒 | コクがあり旨味を感じるタイプ |
④熟酒 | 深い甘味と酸味がある熟成タイプ |
今回からシリーズでこの4タイプの特徴を一つひとつ見ていきたいと思います。
では、まず《薫酒》について紐解いてみましょう。
薫酒とは
”薫”という文字からも想像できるように、何といっても華やかでフルーティな香り、軽快な飲みやすさがいいです。
それだけでなく、甘みと酸味のバランスが取れてスッキリした中に穏やかな旨味を感じられるのです。
女性や日本酒初心者に、おすすめです。
お祝いの席やパーティにも華やかさがマッチします。
贈答品にもピッタリ。
貰い手にも喜ばれますね。
海外でも人気が高く、海外ブームの火付け役となったのが旭酒造さんの『獺祭』です。
かなり有名なお酒なので、ご存知かもしれません。
ポイント4選
分類されるお酒
大吟醸、吟醸
飲み方
食前酒や食後酒としてデザート、フルーツに合わせても楽しめます。
おすすめの飲み頃温度:8℃~15℃くらい。
冷たくした方が良さそうに思いますが、冷やし過ぎは持ち味である”香り”が感じにくくなってしまいます。
”香り”を楽しみたいなら、10℃前後がベスト。
甘さを感じられるならもう少し冷やせば、シャープさが出てきます。
ぴったりの酒器
香りを楽しめるように、ラッパの形状をしたグラスやワイングラスがおススメ。
相性のいいお料理
個性があるので、あっさりしたお料理に最適です。
素材を活かしたシンプルなものがいいです。
春雨サラダ、冷製蒸し鶏、白身のお刺身、魚介類のカルパッチョ、トマトとモツァレラチーズのカプレーゼ、おひたしなど
薫酒・香りの秘密
薫酒に分類される吟醸酒や大吟醸酒。
お酒の主成分はお米・米麹・水なのに、なぜあのような華やかでフルーティな香りがするのでしょうか?
キーとなるのはこの2つ
【精米歩合】
原料の玄米をどのくらいまで磨いたかを表したものです。
お米の表層はたんぱく質、脂質などの栄養分が含まれており、それらが多いと香りの成分が消えてしまうのです。
フルーティで香り高い日本酒を造るときには、精米歩合を高くして、よく磨く必要があるのだそうです。
お米の栄養分が、香りのいいお酒にとっては余計なものになるのですね。
- 吟醸酒:60%以下まで精米
- 大吟醸酒:50%以下まで精米
【吟醸造り】
※国税庁HP・「日本酒(清酒)に関するもの」より引用
「吟味して醸造することをいい、伝統的に、よりよく精米した白米を低温でゆっくり発酵させ、粕(かす)の割合を高くして、特有な芳香(吟香)を有するように醸造すること」
吟醸造りとは、よりよく精米したお米を、通常よりも低い温度(10℃前後)でひと月ほどの時間をかけて発酵させる方法です。
低温発酵することで、香り成分がもろみに閉じ込められるのですが、温度が低すぎると蒸米が溶けにくくなって、麹や酵母がうまく活動出来なくなる恐れがあります。
そのため、しっかり工程を管理して、香りと味わいを調整しなければなりません。
このように時間と手間をかけられて、「吟醸香」と呼ばれるフルーティーな香りがたちのぼる吟醸酒が誕生します。
”純米”が付くもの、付かないものの違いは?
吟醸酒や大吟醸酒に”純米”が付くものとそうでないものがあります。
この違いは何でしょうか?
それは原料にありました。
”純米”が付くものはお米、米麹、水だけで作られています。
付かないものには、上記に醸造アルコールが加えられています。
味にも違いがあります。
例えば、純米大吟醸は香りは穏やかですが、お米本来のコクや旨味が特徴となり、醸造アルコールが含まれた大吟醸酒は、華やかな香り、すっきりとバランスのいい味が特徴となります。
おすすめの薫酒
- 獺祭(山口) 純米大吟醸酒
- 出羽桜(山形) 吟醸酒
- 作(三重) 純米吟醸酒
まとめ
今回の記事では、
- 薫酒に分類されるお酒についてと、飲み頃の温度、酒器、お料理で楽しみ方が広がること
- 香りの正体は丁寧に時間をかけた工程にあったこと
- 醸造アルコールが加わるかどうかで名称が変わること
をお伝えさせていただきました。
薫酒は余韻は少ないものの、華があるお酒なので、香りを楽しみたい女性や初心者におすすめです。
新たな日本酒の楽しみ方のきっかけになったら嬉しいです。