2020年1月10日から日本上映が始まった『パラサイト 半地下の家族』。
日本公開前からカンヌ国際映画祭でも作品賞(パルム・ドール)を受賞し、人気なポンジュノ監督の最新作とあって、映画ファンには公開が待ち遠しすぎる作品だったことと思います。
私も映画好き仲間4人でワクワクしながら公開初日に鑑賞。期待しすぎると期待値が上がり過ぎてちょっとがっかりしちゃうような作品も多いのですが、『パラサイト 半地下の家族』はその期待を軽~く超えてくれちゃう作品でした。
そして2020年2月9日の第92回アカデミー賞では英語以外の作品(外国語映画)で史上初の作品賞を受賞し、日本でも超話題作となりました。
SNS等でも批評家のみならず大勢から支持される『パラサイト 半地下の家族』。どうしてこんなにも多くの人から認められ、評価が高いのでしょうか。
目次
『パラサイト 半地下の家族』のあらすじ
半地下で暮らす全員失業中のキム一家。長男が友人の紹介で英語の家庭教師の仕事に就くこととなる。訪れたのはお金持ちのIT企業の社長の家。
英語の家庭教師の他に美術の家庭教師も探していることを知った長男はその枠に妹を送り込むことを計画。あの手この手で裕福なその家に働き口を求めて群がり寄生していくキム一家だがー。
『パラサイト 半地下の家族』の評価
まずはその受賞歴から
第72回カンヌ国際映画祭で韓国語映画初となるパルム・ドールの受賞を果たす。その他も数々の国際映画祭で主要部門をどんどん受賞していく。アカデミー賞の前哨戦といわれるゴールデングローブ賞では外国語映画賞を受賞。
第92回アカデミー賞では作品賞、監督賞、脚本賞、国際長編映画賞の最多4部門を受賞。外国語映画が作品賞を受賞するのはこれが史上初となる。また、アカデミー作品賞とカンヌの最高賞を同時に受賞した作品は『マーティ』(1955年)以来、65年ぶりとなった。
俳優の演技への評価も高く、お父さん役を演じたソン・ガンホはロサンゼルス映画批評家協会で助演男優賞を受賞して、お金持ちの妻役を演じたチョ・ヨジョンもニュー・メキシコ映画批評家協会の助演女優賞に輝きました。
そして多くの映画レビューサイトやTwitter等のSNSで、映画関係者以外の一般の人からも軒並み超高評価。
『パラサイト 半地下の家族』高評価の理由は、、
細かくあげていけばキリがないほどたくさんの賞を受賞している『パラサイト 半地下の家族』。
だけど、国際的な映画祭で評価の高い作品が必ずしも一般の人にウケる作品となる訳ではありません。
例えば最近でいうと第89回アカデミー賞で「ラ・ラ・ランド」をおさえ作品賞に輝いた「ムーンライト」。アカデミー賞の他にも数々の映画祭で賞賛されています。
「ムーンライト」はわたしにとっても、観ると感動しまくり&号泣の素晴らしい作品で、Blu-rayを購入するくらい大好きになった作品。
だけど、知り合いの中には”今までみた映画で一番つまらなかった。”って言ってる人もいたり映画レビューサイトなどでも好き嫌いの分れる作品のようで、その温度差に驚愕しました。
SNS等を見ても、全体的にそれほど高評価が多い作品とはなっていません。
『パラサイト 半地下の家族』はそんな風に好き嫌いの分れる作品ではなく、多くの映画レビューサイトやTwitter等のSNSで軒並み超高評価。
この作品が人気な一因はその一歩間違えたらとても重たいお話をエンターテイメントとしても昇華することに成功している点にあると思います。
格差社会を痛烈に描く社会派な作品でありながら、こんなにエンタメな映画ってなかなか無いです。題材的にどうしても暗さが全面に出てしまいがちなのに、そのコミカルな脚本の絶妙さに唸ります。
わたしも日頃”おススメの映画は?”ってよく聞かれるのですが、相手を選ばずにおススメできる映画って案外と難しいんです。
その人の年代、性別、好み、そしてどのくらい今まで映画作品に触れてきてるかで作品を観る時の視点も違ってくるので、面白いと思う作品は人によって結構変わってくると思います。
『パラサイト 半地下の家族』ももちろん中には面白くないと思う方もいるでしょうが、レビューサイトなどを見ても高評価な人の方がとっても多いです。
そんな風に人を選ばなくても比較的誰にでもおススメできちゃうし、色んな視点からの面白さが詰まっているのがこの作品。
簡単なようでとっても難しい批評家ウケと一般ウケを両立させる圧倒的な脚本力と演出力。そこにこの作品の高評価の理由があるとわたしは思います。
まとめ
- 『パラサイト 半地下の家族』はユーモア溢れる切り口で韓国の格差社会を炙り出し、極上のエンターテイメントに仕上げた作品である。
- アカデミー賞等の国際映画祭で数々の賞を受賞。SNSで一般の人からも大絶賛されている。
- 多くの人が観やすく面白いと思える作品に仕上げたその脚本と演出がとにかく素晴らしく、監督のセンスの良さが光る。
多くの人々が夢中になった『パラサイト 半地下の家族』、とっても面白いのでまだの人はぜひ観賞してみてください♪