みなさんはポン・ジュノ監督をご存知でしょうか?
映画ファンの人で知らないという人は少ないですが、スピルバーグやタランティーノみたいに名前を出せば誰でもすぐわかるというほどではなく、日本ではまだ知名度はそんなに高くない印象。
名前だけでは誰だかピンとこない人でも、2020年第92回アカデミー賞で作品賞含む4部門を受賞した『パラサイト 半地下の家族』の監督と聞くと、ニュース等でなんとなく聞いたことあるかなぁって人も多いかと思います。
『パラサイト 半地下の家族』もそうですが、数々の映画祭で賞を総なめにするくらい映画的完成度の高い作品なのに、コアな映画好きにしか良さが伝わりにくい難しい作品が少ないのもポンジュノ作品の魅力の一つではないでしょうか。
そんなポンジュノ作品のこれを観ないなんてもったいない!って思う3作品をこれからご紹介します♪
目次
パラサイト 半地下の家族
出典 映画.com
まずはやっぱりこれ!外国語映画として史上初のアカデミー賞作品賞という歴史的大快挙を成し遂げたのも納得の素晴らしい作品。
- あらすじ
半地下で住む、全員失業中の貧しい四人家族。息子が裕福な家の家庭教師を勤めることになったのをきっかけに、兄に続き妹も働き口を求め、あの手この手を使い文字通りその裕福な家族にどんどん寄生していくのだが、、。
- みどころ
相反する2つの家族が面白おかしく描かれていて、クスクスしてしまうシーンも多数。貧しくギリギリな生活に生きる人々を描き社会派要素の強いお話なのに、ブラックコメディ的なエンタメとしても成功している今作。
貧しい半地下暮らしのリアルさを更に引き出すために、映像ではわからない撮影現場での”臭い”にさえもこだわり、わざわざくさ~い生ごみを撒いたりハエや蚊を飛ばしたりして再現するというセットへの熱の入れようにも注目です。
誰も予想だにできないネタバレ厳禁の衝撃的な展開に目が離せなくなること間違いなし!
殺人の追憶
出典 映画.com
ポンジュノの映画監督としての初期を代表する傑作。2004年に日本でも上映され、この作品を機に監督のファンになった人も多いかと思います。韓国で実際にあった恐ろしい事件「華城連続殺人」をモデルとした衝撃的なサスペンス作品。
- あらすじ
ソウル南部、農村の用水路で拘束され殺害された女性の遺体が発見された。威圧的な態度や暴力により事件を解決しようとするパク刑事と科学捜査で追うソ刑事の2人。次々に強姦され殺される女性たちを前に2人は、、、。
- みどころ
何といってもあの秀逸なラストシーン!実際に時効を迎えてしまった事件だからこそ放つ説得力が凄い。観た人の脳裏に深く刻まれる映画史に残る名シーンだと思います。
実際に捜査員約200万人を投入して大規模な捜査が行われたが、犯人を特定できないまま迷宮入りしてしまったこの残虐な事件。韓国でも「史上最悪の未解決事件」と言われていたけど、33年の時を経て遂に昨年犯人が特定されたそうです!
当時の杜撰な捜査にびっくりしたり腹がたったり、共感して絶望の淵に立たされたり、とにかく感情が忙しい。
母なる証明
出典 映画.com
個人的にポンジュノ監督作品でわたしが一番大好きなのがコレ!母性を題材にこんなテイストの作品を作っちゃうなんて監督の視点はホントに面白い。オープニングからのあの独創的で狂気さえ感じる映像もセンス良すぎて感激した作品。
- あらすじ
漢方薬店で働きながら1人息子のトジュンと暮らす母。ある日トジュンは女子高生殺害の容疑で逮捕された。息子が殺人を犯すなんて信じられない母は、警察や弁護士に息子の無実を訴えるが無駄を悟る。そして自分の手で無実を証明すべく真犯人を探し一人奔走するが、、。
- みどころ
母親の持つ母性の底知れぬ強靭さと行動力。もし愛するわが子が同じような状況になったらと感情移入してみればみるほどに手に汗握ります。
お母さん役のキムヘギョンの“目”で語り訴えかけてくる心情表現にグッと引き込まれる。その圧倒的な迫真の演技に注目です。
まとめ
出典 映画.com
- 「パラサイト 半地下の家族」:アカデミー賞史上初外国語映画での作品賞受賞を成し遂げた傑作。ポンジュノ監督の作品をまだ観たことがないという方はまずはぜひこの作品から!
- 「殺人の追憶」:監督の初期の作品。韓国で実際にあった恐ろしい事件、「華城連続殺人」をモデルとした衝撃的なサスペンス作品。
- 「母なる証明」:どこにでもいる母親が子を守ろうとしてみせる狂気的なまでの母性を描く作品。何とも言い難い、複雑な闇へと引きずりこまれるような感覚になるとんでもない怪作。
今回はポンジュノ監督作品の中でも私が特に好きなこの3作品を紹介しましたが、他の作品も才能溢れる素晴らしい作品ばかりです。
一度観ると虜になってしまう監督の世界観、まだの方はぜひこれから観賞してみてください!