映画『天気の子』は新海誠監督の7作目のアニメーション映画です。
『君の名は』の3年後の新作ということもあり、公開される前から注目されていました。
そんな『天気の子』はラストシーンが非常に難しい終わり方をしていて、観た人々から賛否両論分かれているのをご存じでしたか?
一見すると『君の名は』と同じハッピーエンドに見えますが、(というか私もそう思ってました)でもそうじゃないんです。
どんなラストシーンなのか、監督が観た人に伝えたかったものは何か、考えていきましょう。
目次
映画『天気の子』とは?
まずは、『天気の子』がどんなストーリーだったか、おさらいしましょう。
ストーリーは、離島から家出してきた森嶋 穂高(もりしま ほだか)と祈ることで天気を晴れにできる力を持つ天野 陽菜(あまの ひな)との出会いから始まります。
異常気象で長期間雨が続いている東京で、家出してきた穂高と弟と二人だけで生活する陽菜は生活に困り、晴れ女と呼ばれる陽菜の能力を利用し、商売を始めます。
しかし、晴れにすればするほど、陽菜の体は透明になっていき、ついに空へ消えてしまいます。陽菜は天気の巫女として人柱になる運命にあったのです。
穂高はもう一度陽菜に会いたい一心で廃ビルの上にある鳥居をくぐります。
すると空の雲の上で陽菜と再会します。
陽菜は「天気よりも陽菜が大切だ」と叫ぶ穂高の手を取り一緒に地上へ戻ってきます。
2人が地上に戻ったことで、東京には2年半もの間、再び雨が降り続きほぼ水没してしまいます。
実家のある離島で高校を卒業した穂高は、大学進学のためまた東京へやってきます。そして陽菜と再会するのです。
映画『天気の子』ラストシーンは?
天気の巫女だった陽菜を取り戻して、2年半して成長した穂高が東京に再びやってきて、
空に向かって祈っていた陽菜に再会し、
「陽菜さん、僕たちは大丈夫だ」と言って
二人は抱き合うというラストシーンです。
こう聞くとハッピーエンドになっている気もしますが、問題は東京がほぼ水没してしまっているという現実です。すべてが解決してラッキーというラストになっていない所が考えさせられます。
賛成意見としては、2人が幸せならそれで良かったとする考えと
否定的な意見は、2人はよくても東京が水没しているのだから、ハッピーエンドとはいえないとする考えと両方あるようです。
なぜこのようなラストシーンになったのでしょうか?
まずは主題歌を手掛けたRADWINPSの歌詞から検証していきます。
映画『天気の子』の音楽はRADWIMPS
主題歌を担当したRADWIMPSの歌詞にも秘密があるのではと思い、歌詞を検証してみました。
RADWIMPS「愛にできることはまだあるかい」
それでもあの日の 君が今もまだ
僕の全正義の ど真ん中にいる
世界が背中をむけても まだなお
立ち向かう君が 今もここにいる
Uta-Net より
この曲は映画『天気の子』の主題歌として使用された曲です。
穂高が陽菜を取り戻しに空へ向かった日の決意を歌っているようです。
天気が戻らなくてもまだ祈っている陽菜の強い意志も感じます。
きっと愛の力でまだできることはあるはず。
2人で立ち向かっていこう
そんなメッセージが込められた曲と言えます。
RADWIMPS「大丈夫」
「大丈夫?」ってさぁ 君が気付いてさ 聞くから
「大丈夫だよ」って 僕は笑っていうんだよ
何が僕らに降りかかろうとも
きっと僕らは大丈夫だよと
僕は今日から君の「大丈夫」だから
Uta-Net より
RADWIMPSの「大丈夫」という曲の歌詞です。この曲は映画『天気の子』のラストシーンに使われました。
最後に穂高が言った「大丈夫」の意味が少しわかるような気がしませんか?
君の「大丈夫」になりたいと強く願って成長した穂高が、再会した陽菜に向かって「大丈夫」という。どんな困難があっても2人なら乗り越えていけるよという決意表明とも言えます。
あの時、世界じゃなくて陽菜を選んだ
もう晴れなくていい、陽菜にいてほしいと願った
それは、2人だけが知っている世界の秘密。
副題のWeathering with you は乗り越えるという意味もあるそうです。
東京は水没してしまって、天気は変わらなかったけど、それでも2人で一緒にいれば、
どんな状況でも乗り越えていけるという意味なのではないかと感じました。
まとめ
- 映画『天気の子』とは、家出してきた少年と祈ることで天気を変えられる少女が出会うことから始まる話。
- 映画『天気の子』のラストシーンは、水没した東京で「僕たちは大丈夫だ」と言って離れていた2人が再会するシーン。
- 映画『天気の子』の音楽はRADWIMPS 「愛にできることはまだあるかい」「大丈夫」の歌詞を検証してみたら、どんな状況でも乗り越えていこうとする決意があった。
映画『天気の子』を観た時は、2人が再会できてよかった、ハッピーエンドだったと思っていましたが、今回深く考察してみた結果、ただのハッピーエンドではない話だったと気づかされ、色々考えさせられる映画だと発見できました。
私の勝手な想像ですが、新海誠監督はただのハッピーエンドではなくて、考えさせられる内容にすることで、人と人とのつながりや想いの強さが大事だと教えてくれようとしたんだと思います。
今、コロナで大変な世の中になっていますが、この映画を観て勇気をもらってこの状況を乗り越えられるといいですね。